神田麗香の顔は誰が見ても綺麗だ。

そんな綺麗な表情を少しでも崩れれば誰だってわかる。


「ちょっと~!何よ!」


私は神田麗香の腕を引いて、廊下に出た。

そして扉を閉める。


不思議そうに私を見つめる神田麗香。


私は口を開いた。


「麗香さんは…、波留さんのことが好きなんですか?」


「な……っ」


必死に否定しようとしているが、顔は耳まで真っ赤だ。


それが証拠だ。

この人は波留さんのことが好きなんだ。


「そうなんですね」

「……何で……わかったの…?」


顔を真っ赤にし、上目遣いで私に問う。