「翔く…」 「翔~!!!」 私が翔君と呼ぼうとしたのを遮り、神田麗香は満面の笑みで翔君に駆け寄った。 私は神田麗香の態度に唖然してしまった。 私の時と全然違う。 …やっぱり翔君のこと─。 「…麗香、お前ここで何してる」 “麗香” 翔君ははっきりと神田麗香をそう呼んだ。 私の心臓がチクリと痛む。 …やっぱり仲が良いんだ…。 そうだよね…、お金持ち同士だもん…。気が合うよね…。 2人の話している様子をジッと見ていた。