『あのっ…すいませんでした…。』


私は混雑に嫌気がさして
来てくれたのだろうと思った。


その男の子は笑って言った。


『あの車掌さん僕も苦手なんだよ。嫌な感じがするよね』


私は自分の予想が違った事がわかった。



本当に困ってた私をどういう想いでかわからないけど助けてくれた。


それだけは 確かだ。



『お金…必ず返します!』

『いや、いいょ。180円くらい』

『いえ、絶対返します!』


もしも お金を貸してくれたのがおじさんだったら

私は甘えてたかもしれない。


でも
その人には絶対に返さないといけないと思った。

学生っぽいから?
若いから?


不思議にそう思った。