プルルルルルル
まもなく列車がはいります。



『やっと来た…』


汽車の時間はわかってたけど
こんなに暑い中にいると
何時間も待たされた気分になる。



ドアがあくと一瞬にして涼しくなった。



そして
いつものボックス席にすわる



この車両に乗客はあたしだけ



青く澄んだ海が暑い日差しの下でキラキラしてる


日本海がみえるこの町で私は育った。



生まれてからずっと
この田舎。


高いビルも大きなショッピングモールも
修学旅行の大阪でしか
見た事がない。


そんな田舎で普通に過ごしてきた私にとっても

夏は一番嫌いだった。