あれがサンドラ四世陛下?
あまりにも若いじゃない。

サンドラ四世陛下は女性。
でもあたしが思っていたよりも、ずっと若く見えた。

「ベル・キッドマンだね?待っていましたよ。リーから話は聞いたね?」

「えっあ、あ、はい。」

あたしは緊張していた。

「君の両親が誘拐されました。犯行声明が届いててね…リー、読んで。」

陛下はリーに紙を渡した。

「ええと…重要な文章のみを抜粋して読みますね。」

あたしは息をのんだ。

「帝都サンマリアの薬屋夫婦を誘拐した。我々の目的はマリアナ帝国の能力者の情報の提供。薬屋夫婦の娘ベル・キッドマンとの交換に応じれば薬屋夫婦は解放する。」

リーは、そう言った。

あたしは信じられない気持ちでいっぱいだった。

能力者の情報提供?
どうして?
そもそも、どうしてあたしが能力者だって知ってるのよ!!

「…どうしてあたしが能力者だと知っているんでしょう?一般人は知らないはずですよね…」

「ええ、そのはずです。能力者情報が、どこからか漏れている証拠。」

情報漏れ…
能力者は前の戦争では、1番の戦力だった。らしい。
だから命を狙われないように、まだ生きている能力者は国が保護してくれるはずなのに。
どうして情報が漏れるのよ。


「ここにいる皆さんは、あたしが能力者だって知っているから居るんですよね?」

あたしはリーに聞いた。

リーは頷いた。