基地を出て、サンマリアの街に出た。
後ろを振り向けば城が見える。

「ちょっと…城下まで来ちゃったら戻る時めんどくさいよ?」

一度王家の敷地から出たら、入る時に色々と検査されるから大変なのだ。

「良いの良いの!もう少しだからさ!」

は?

あたしは呆れたような顔で
リーの後をついていった。


「ここだよ。」

しばらく歩いて、たどり着いた先は

「ここ…サンマリアの丘…」


実際行ったことは無かった。
いつもシルエ殿下の部屋から見下ろしてただけ。


まだ夕方じゃないから夕日は見れないけど
夕日が無くても充分だった。
見渡す限り、青。

「なんか思い出したりする?」

いきなりリーが質問してきた。

「…え?別に…。でもここから見る夕日が好きだって、シルエ殿下が言ってた。」

リーは、ふーんとだけ言った。