「あたしの瞳の色、どうして赤に変わってるんですか。」

あたしは研究員の人に聞いた。

「能力者全員に、本来の能力の力を引き出すための薬物投与を行いました。夢幻の力が最大になると、瞳の色が変化するのです。」

なるほど。
あたしは改造されたってわけ?

…もともと、改造されてた?


研究員の人は話を続けた。

「瞳の色が赤い時、憎しみや悲しみといった感情を持たないで下さいね。」

「…はあ。それはまた…何でです?」

感情を持つなって言われても。
あたしは少しイライラしていた。

「あなたの憎しみや悲しみの感情は、その瞳を通して相手に苦しみを与えます。ご存知ですよね?あなたがルクテン研究所で起こした事件が、例です。」

「なっ…!?」

どうしてルクテン研究所での出来事を知ってるの!?

「あなたの能力の特徴は、感情が武器だということです。気をつけて下さい。」

あたしは言葉が出なかった。

まるで、存在自体が危険みたいな。

そんなことを考えているうちに、処置室に着いた。