「もうじき召集される。けどお前…その目の色のまんま外出んなよ。」

「え?どうして…。」

「どうしてもだよ。じゃあな。」

キースは行ってしまった。
瞳の色なんか、もう変わらないじゃない。

「意味分かんないよ…っ。」

あたしは床に座りこんだ。
なんだか分からないけど
涙が出てきた。

無力な自分が嫌

されるがままで
抵抗できなくて
人を傷つけることしか…

「ベルさん。入りますよ。」

はっ、とした。
研究員の人だ。

「あっ…はい。」

あたしは涙をぬぐい、立ち上がった。

研究員の人の手にはアイマスクのようなものがあった。

「ベルさん。これから処置室に行きます。アイマスクしてください。」

「…処置室?」

あたしはアイマスクを手に取った。

ああ、そっか。
夢幻の力は、目を合わせたら危険なんだっけ。

アイマスクのことは何も聞かずに、あたしは黙ってアイマスクをつけた。