どうして赤くなってんの!?
意味が分からない。

「多分、能力の力を増加させるようなことされたんだろ。軍人にはつきものだからな。」

キースはサラッと言ってのけたけど、そんなのあたしは納得いかない。


「力を増加?ドーピングってこと?」

「ああ。それよりベル。お前に聞きたいことがあるんだけど。」


聞きたいこと?
なんだろう。

「お前の身内に能力者っている?」

「え?…いや…多分あたしだけだよ。どうして?」

キースがそんなこと聞いてくるなんて予想しなかったので、聞き返した。

「…いや。気になることがあって。更に聞くけど、お前の姉が研究所に入所したのはお前が何歳の時だ?」

姉さん…。
なんか、何かを疑っているような感じがした。

「姉さんが入所したのは、あたしが5歳の時だよ。姉さんが15歳の時。」

「そ、か。分かった。」

それだけ言うと、キースは部屋から出ようとした。

「ちょっと待って!!何かあったの?キース!」

あたしはキースを引き止めた。

「…。今はまだ言えない。でもシルエを殺そうとか、そういうことじゃないから心配すんな。」

「ーっ。シルエ、殿下…。いつあたしたちはこの研究所から出れるの?」

シルエ殿下に会いたい。
すごく会いたい。