「キース!ちょっと!離して!」

あたしはキースに引っ張られていた腕を振り払った。

「能力者全員って何?理由を教えてよ。」

あたしはキースを睨んだ。

キースは少し間を開けて喋りだした。

「ルクテンの研究所で襲われた時、お前人殺しただろ。あいつら二人ともバレンシア人だったんだよ。今マリアナとバレンシアは一触即発状態…らしい。」

「…。そ、か…。」

言葉が出なかった。
なんか、あたしのせいだと言われてるみたいで。
実際はあたしのせいなんだろうけど…。

「実際俺たち群青の剣も分からないことだらけだ。サンドラ陛下は色々隠してるからな。」

「ねぇ、前から気になってたんだけど…。」

あたしは思いきって聞いてみた。

「なんでキースは陛下とか殿下に対して、そんなに敬意を示してないの?リザだって、先輩でしょ?」

キースからは想像と違う答えが返ってきた。

「リザはともかく、俺はマリアナ王家が嫌いなんだよ。…俺の家族はあいつらに殺されたんだ。」

「え…?」

殺された?
陛下と殿下に?
どういうことなの。

「ホラ、行くぞ。陛下がお待ちだぜ。」


そう言うとキースは歩きだした。
あたしもその後を追った。