本部に戻った群青の剣の兵士達は皆、深刻な顔をしていた。


「くそっ!!どういう事だよ!意味わかんねえ!」

キースは壁を蹴った。

「バレンシアはマリアナを潰そうとしてる?どうしてそういうことを俺達に言わないんだよ陛下は!」

するとエリザベスが口を開いた。
「すぐに潰されたりしないわ。ロザンヌ国がある限り、バレンシアもマリアナも消滅したりしない。」

「そうだね…。ロザンヌ国は昔から仲介役って聞いたことがあるよ。」

リーがそう言った。
兵士達は安心したようだったが、ブラウンだけは違った。

「そもそもエリザベス!どうして君は陛下の命令に背いたんだ!?従っていれば、こんなことにもならなかっただろうに。まるで今から戦争でも始めるような勢いではないか!」


それに対してエリザベスも黙ってはいなかった。

「ベルを連れて行かなきゃ確実に兵器を借りることは出来なかった。研究所の人間は私達軍人を嫌っているからです。もし命令に従っていたなら任務は失敗、能力者の秘密がバレンシアにバレることになります。そっちの方がよっぽどマリアナを危険にさらすことになる!」

お互い一歩も引かないようだった。

「二人とも、やめてください!今は仲間同士で争う場合ではないでしょう!」

リーが間に割って入った。

「そうだ、リザ。大声張り上げるなんでお前らしくねぇよ。」
キースが小馬鹿にするような感じに言ってきた。

それに対してエリザベスは、呆れたように笑った。

「そうね、今はとりあえず能力者を探さなきゃ。」