「割りきるしかないわね。いくら悲しんだ所であなたの力は無くならないわ。」

「ちょっとリザ。そんな言い方しなくても…。」

リーがかばってくれた。
でもリザは言葉を続ける。

「あなたの夢幻の力は、覚醒したのよ。もう、シルエ殿下を治療するような力じゃないの。裏の力が目覚めたのよ。」

「裏の力…?」

「ええ。人の心の病を治療する力が表の力なら、人を殺める力は裏の力なのよ。」


すると、会議室のドアが威勢よく開いた。

「話はそれくらいで十分でしょう。急いで下さい。突撃の準備が整いました。」

群青の剣の軍人さんだ。
どうやら、誘拐犯を捕まえに行く準備ができたらしい。

「とりあえず話は終わり。リー、キース。向かうわよ!」

「あっあたしも…。」

自分でも、どうして戦いに行こうとしたのか分からなかった。
だけど、何故か分からないけど、
行きたくて。


「ダメだ。お前は基地に居ろ。」
キースに止められた。
止められるとは分かっていたけど。


「でもあたしはもう…!!!」

「言うことを聞いて!!!!戦争にさせたいの!?」


リザの言葉に、あたしは声が出なかった。


三人はあたしを残して部屋を出ていった。