「それじゃあ!あたしを連れてってくれるんですか!?」

「ええ。ルクテンの研究所までなら大丈夫よ。…多分ね。」

エリザベスさんの『多分ね』の言葉が引っかかった。

「陛下には内緒なの。群青の剣が独断で決めたから…。でも万が一、あなたを連れている時に誘拐犯と戦闘になった時は隠れててちょうだい。いいかしら?」

「はい!わかりました!」

あたしは元気に返事した。

「それじゃ、出発の時に迎えに行くわね。おやすみなさい。」

エリザベスさんは部屋から出て行った。


やった!
これで父さんも母さんも助け出せる。
それにもしかしたら姉さんにも会える…。


あたしは他の能力者と違って首都に住んでいるから(もしかしたら他の能力者も住んでるのかもしれないけど)、小さい時から国に見張られていた。
学校だって、能力暴走の危険があるからと、満足に通えなかった。

友達も居なかった。

家族が何よりの支えで、宝物。

それと…シルエ殿下も。
身分は違いすぎるけれど、なぜか殿下と居ると懐かしい気持ちになる。

なんでだろう…


あたしはベッドに入り、眠った。