「どうしてですか…。戦力になるならっ…!」

あたしは、父さんと母さんを助けたかった。
あたしの能力のせいで誘拐されたんだから。

「ベルを、人質を保護するために群青の剣と行動させるわけにはいかないの。条約違反になってしまうから。」

陛下は、そう言った。
するとあたしの側に居た、あの美人の女性が口を開いた。

「前の戦争の終戦の時、三国の首脳は、三国平和条約に合意してサインしたのよ。その条約には能力者のことも書かれていた。」

「そう…なんですか?」

「ええ。条約の一部の内容は国民には公開されないから知らないのは仕方ないことだわ。」

美人の女性は、あたしが思っていたより柔らかく喋る人だった。

陛下は椅子に腰かけ、再び話した。

「そういうことだから、ベル。城で待っていて下さい。必ず両親を助けるから。」


陛下に言われちゃ、反抗できない。


あたしは城の、客人用個室に案内された。