「あ、あのっ」

困ったようにアリスカは日本語で言う。

「あら…日本語話せるんじゃない。ならそう言ってよ」

女生徒は苦笑いした。

「ご、ごめんなさい…随分と語学に精通しているのね」

「ええ、ローズ家の娘として!『才色兼備』の異名を与えられた者として!」

その女生徒、ソフィア・ローズは胸を張った。

「容姿も教養も一切の妥協は許されませんわ!『今日の目標は明日の美』ですわよ!」

今にもオーッホッホッホッ!とでも高笑いしそうな勢い。

「は、はぁ…」

アリスカはソフィアの気迫に飲まれ、閉口するのだった。