そう思っていた時だった。

廊下の向こうから、女生徒が歩いてくるのが見えた。

長身で金髪のショートヘア。

青い目をしている。

アリスカもこの日本、この学園では、その容姿からどうしても周囲の目をひいてしまうのは仕方がないと思っていたが、そのアリスカが視線を釘付けにしてしまうほど、女生徒は華やかさをその身から漂わせていた。

花で例えるなら薔薇。

しかも大輪の、真紅の薔薇だ。

身長や金髪という派手さもあるが、何よりその派手さに負けないだけの美貌を兼ね備えている。

顔立ちからして日本人ではないのも、余計に目を引く。

素直に『美人』と言ってしまえるだけの少女だった。