「ん…」

まどろみの中から、ソフィアが目を覚ます。

彼女を眠りから呼び戻したのは、黒猫がチロリと頬を舐める小さな舌の感触だった。

「シー先輩…無事だったですの…?」

まだ心ここにあらずといった様子で呟くソフィア。

「おー、起きた起きた」

アスラがソフィアの顔を覗き込む。

…そんなアスラを見る月、啓太、アリスカの目は、まだ驚愕から覚めやらない。

この窮地を救ってくれたのは、紛れもなくアスラだ。

アリスカと月にいたっては、アスラの能力の事を知っていた。

にしても今回のは規格外だ。

あんな大勢からの発砲を全て止め、あまつさえ跳ね返してしまうなど…。

「アスラ君…貴方は一体…?」

無理だと知りつつ、アスラの思考を読みたい気分に駆られる月。