場の空気をゆっくりと引き裂くように。

「やれやれ…」

一人が立ち上がる。

その左の瞳は、金色。

眩く、目を細めるほどの輝きを湛える、金色だった。

「色々わしらにも決まり事があってのぅ…『人間同士』の小競り合いに干渉してはいかんのじゃが…」

ユラリと。

立ち上がったのはアスラ・メイデンだった。

その表情は、相も変わらぬ無表情。

黒服の威圧も、威嚇も、銃口さえも。

何ら怯む様子は見せない。

「ま…状況が状況じゃ」

金色の瞳が、ギロリと黒服達を舐めるように一瞥した。

「わしの仲間に手を出すな」