手続きを済ませ、アリスカは担任に連れられて職員室を出る。

これから教室に案内されるのだ。

と、ちょうど職員室の出入り口のところで。

「あっ」

アリスカは入室してきた生徒とぶつかってしまう。

「ご、ごめんなさい。よそ見していて…」

「……」

彼女とぶつかったのは、浅黒い肌に漆黒の髪を持つ男子生徒だった。

黒人というほど肌は黒くない。

外見から察するにインド辺りの国籍だろうかと思ったりもするが、正確な事はわからない。

何よりアリスカの目を引いたのは、驚くほどの美形である事、同様に驚くほどの無表情である事。

そして左右の瞳の色が違う事だった。