『―――――…皐月』





そっと頬に両手を添えられる。



そして、コツンと額を寄せられた。





『ひとつ、約束してほしい』





あっ……



―――あったかい…



鏡夜の体温が、伝わってくる。



いつもの、鏡夜の体温。



優しい、温もり。





『“幸せ”になるって』





張り詰める瞳。



その向こう側で、鏡夜が微笑む。





『世界一幸せになるって。約束してほしい』



「きょ…」



『きっとなれるはずだよ、皐月なら』





そう言ってふわりと優しく笑った。