キョトンと私を見返し、何度かまばたきをしたあと。 『…どうして?』 柔和な笑みを浮かべながら鏡夜は私に尋ね返す。 『どうしてそう思うの?』 どうして―――。 静かに目を閉じ、あの日に想いを馳せる。 鏡夜が私の前に現れたあの日に。 「あの日、サクと一緒に学校に行ったの。だけど…私が強情だったから。サクを怒らしちゃった」 『うん』 「それでね…」 ふぅ…と息をつく。 そして閉じていた瞳を開け、同時に口を開いた。