「……嬉しい時、何かに成功した時。それと…楽しい時と、みんなといる時」





その情景を浮かべただけで、自然に頬が緩む。



そして、その時々すべてには、鏡夜。





―――鏡夜がいる。






「あとね、鏡夜といる時」





最後だけ瞳を開けて、真っすぐに鏡夜を見つめた。



ふわりと表情を崩し、鏡夜はそっか…とはにかんだ。





「ふふっ。鏡夜、耳が赤くなってる」



『皐月だって。顔真っ赤だよ』



「〜ちっ、ちが…!」



『ははっ』





二人とも照れたように、顔を見合わせて笑った。



そんな空間が心地好くて、大好きで。





『…思うんだ。空もずっと笑ってられる訳じゃないんだろうなって』





鏡夜の優しい声が鼓膜を揺らす。