そこに居た浬愛は
眼帯をして右手首に包帯を巻いていた。



それ以外にも所々に
痣やかすり傷があった。




浬愛を凝視してる俺には気付いてないみたいだ。



―――ガタッ



浬愛が驚いたように俺の方をみた。



「…羚夜。」



「よぉ!久しぶりだな。」



「う、うん。」



「その傷…なんかあったのか?」




「えッ…階段から落ちちゃって。」




アハハと笑う浬愛。



でも俺は見逃さなかった。


一瞬、浬愛の表情が曇ったことを。