「こんなことするのモリさんしかいないですよ。」


『またそーやってすぐ人を疑う。』


モリさんはDSの電源を切って棚に置くと、行くか〜と立ち上がった。




もうバイトの始まる時間。

今日は混まなきゃいいなぁ…。





憂鬱なバイトだけど、お店の人達が大好きだから、なんだかんだで楽しく時間は進む。






私が入ってから1時間後に『おはようございます。』


「えみさんおはようございます。」


『おはよー』



1つ上のえみさんが入ってきた。


えみさんとはよく買い物に行ったり、ご飯食べに行ったりする。



「えみさん聞いてくださいよー!」



今日も彼氏の愚痴を話す。お店の中でもえみさんには色々と話しやすかった。



『よりには近場の人の方がいいんじゃない?』


「うーん、遠恋向いてませんよね。でもまわりにいい人もいないですよ。」




バイトの休憩中ケータイを見たけど、彼氏からは着信どころかメールすら届いてない。




小さな溜め息と共にケータイを閉じた。




そのまま時間は進み、上がりの時間になって、その日は家に帰った。



寝る前に何度か電話をしたけど、その日は彼氏の声を聞くことはなかった。