僕達も決めたエリアへ移動した。
ナナミを見つけることしか、考えられなかった。
僕は駅前のありとあらゆるところを捜した。
普段なら絶対に通らない裏路地なども全てだった。
ただ、ナナミを捜すことしか考えなかった。
でも見つからない。




―――午後
午前の最後にデパートの屋上に行った。
昼食と屋上から外を眺めるためだ。
雨が降りそうだった。


ピー………


突然通信機が鳴った。
僕は気づいた。
使い方が分からないことを………
僕はボタンを触った。
すべてのボタンを触ると、伊藤の声が聞こえた。


『皆、すまない。
俺………掴まった。
今からナナミが掴まっている場所まで行く。
お前たちは帰れ………
頼む………』

「伊藤………」


ビー………。


通信は切れた。
僕はどうすればいいんだ。
ナナミに続いて伊藤まで………
僕の大切な仲間が次々に消えていく………


雨が降り始めた。
一般人は雨に当たらないように室内に戻った。
今の僕に雨などどうだっていい。
僕はどうすれば………
僕は下を向いた。
僕の腕にアクセサリーがあった。


「『超越者』………」


僕は腕輪を取った。