『ただいまぁ』

「お帰りぃどーしたんだよその疲れきった声」

俊が聞いてきた

兄貴はバイトで帰りが遅い
よしここは俊に聞こう!

『なぁ俊』

「あ?」

『男ってさぁこんな口悪い女好きになるか?』


「何で?」

急に低くなった俊の声

『いや、なんとなくだけどよ、スタイルよくて美人のこの方がよくねーか?』


「まえ…ぃ…ん…ょ」


うまく聞き取れねー
声ちいせーよ!

『なんつった!?』

「男だったら口悪いのはまぢ勘弁!美人でスタイルいい方が断然いいな!!特にお前なんて無理!」


あはは
だよな俊
ふみやはあんなカッケーんだあたしからかわれてるんだよな

『だよなサンキュー、俊』


俊からの視線を感じた。呼ぶ声も聞こえた
けど振り返らず
自分の部屋に入った

あたしふみや好きでいて何かいい事あるか?

くそ、いてぇよ
胸がズキズキする
なぁふみや、あたしどーしたらいい?

『…ッ……』


気づいたらあたしは泣いていた

あたしはふみやを好きでいない方がいいのかもしんないな