爽やかな青空の下、私は行く先も決めずにただただ歩いていた

結城君が死んだ・・・?

嘘だよ

アリエナイ・・・


気が付けば私は

あの丘の上にいた・・・

ここに来れば結城君は来てくれる・・・

「ここに居たんだ・・・春華・・・?」

振り返って見れば、結城君の元カノ・・・美紅さんが居た

「葬式抜け出すなんて、アンタの神経おかしいんじゃないの!?」

目元が赤く腫れている・・・凄く泣いたんだろう・・・

「アンタのデートに行く途中に死んだのよ!アンタが・・デートの約束しなければ・・翔太は生きていたのに・・・!」

美紅さんの言葉が私に刺さっていく・・・

私が・・・

結城君を殺したの・・・?

「アンタが・・翔太の代わりに死ねばよかったのに!!」

バシッ

美紅さんに叩かれた所が痛む

冷たい現実に目が眩む

ざあぁぁぁっ

桜があの時の様に舞い落ちている・・・

結城君がいたあの頃みたいに・・・

付き合わなくてよかった

キスをしなくてよかった

ただ・・・生きていてほしかった・・・

「結城君・・・
好きだよ」

笑った顔も

私とかわらない低い背も

ふわふわした黒髪も

「なんで・・・

なんで死んだのよ・・・っ」

声をださずに泣いた


結城君はまるで桜

咲いたと思ったらすぐに消えていく・・・