高校生になってからのりっくんは、それまでとはちょっと変わった。
バスケ部に入部して、髪型もオシャレになった。
そして家にはいつも、違う女の人が来ていた。
「だけど、りっくんは相変わらずかっこいい」
ほおづえをつきながら言うと、隣で、親友の梨乃が笑っている。
「幼なじみと恋なんて、あたしにはありえないかなぁ?」
木村せんぱいみたいにかっこよかったらいいけど、あたしの幼なじみ、太一だし、と、ぶつぶつ呟いている。
そう。あたしは知っている。
梨乃の真っ黒い髪も、耳に開いたピアスホールも、全ては恋をしていたからということを。