はあ、とわざとらしく盛大にため息をついて彼女の元へ行く。


「なんか用?」

ぶっきらぼうに尋ねると、異常に明るい声が返ってくる。



「松井くんに、会いたかっただけ。邪魔しようとは思ってないよ」



いや、君、充分に邪魔してるよね?

なんて、突っ込む気にもならない。



初めて会ったときからそうだった。

たまたま授業中に居眠りをしていたことで出された課題を、たまたま一緒に片付けることになった。



気付いたら、彼女は俺のことを好きだと言うようになっていた。