背が高くて、スタイルもよくて。

切れ長の目に、鼻筋は通って、薄い唇はいつも、さわやかな笑顔を作り出していた。

だけど、とても気さくで、頭も良くて、きっと誰もが、和田くんに憧れてたと思う。


可愛い彼女もいて、きっと彼の人生こそ、幸福に違いない。


と、そこまで考えて気になってしまった。



「和田くん、彼女は?バスケ部の、マネージャーの。唯(ユイ)ちゃんだっけ?ホラ、学校のみんなの憧れカップルだったからさ。」


その言葉を発した瞬間、和田くんのさわやかな笑顔が一瞬、凍りついた気がした。



「別れたんだ。フラれたんだ。もう、3年も前の話だよ」


「そっか。和田くんもフラれたりするんだね。それから、彼女は?」


「居ないよ。ずっと。恋って、難しいね」