「17番の番号札をお待ちの方、こちらへどうぞ~」


銀行に勤めてから、もう3年。
この仕事にもだいぶ、板に付いてきたものだ。



「口座の、新規開設でよろしいですね?」



17番の番号札を持った男の人に、説明をはじめる。



「つーかさ、青木だよな?俺だよ、俺。和田修二。うわ~、懐かしいな」

いきなりペラペラと話し出す、その男の顔を見る。



「和田……?ってあの、和田くん?バスケ部の、キャプテンだった和田くんだよね?うわぁ…久しぶり」



思いがけない、高校時代の同級生との再開に、思わず、興奮してしまったけれど、今は、業務中。

「仕事、何時に終わる?お茶でもしない?向かいの、カフェで待ってる」

和田くんは、昔から変わらない、さわやかな笑顔で、そう言った。



そして、あたしは定時に仕事を終えて、和田くんが待っているという、カフェに向かった。



「青木!」

何かの書類を広げていた和田くんが、窓際の席に座っていた。