決して楽な逃げ道なんかじゃなかった。

その族は、トップの白龍という族で、

入るのには、族の中の1人とケンカしなければならない。

族の中には女なんていない。

多分、いや絶対ナメられてるってことは、すぐに分かった。

族に入ろうと思ったその日に、

あたしは白龍の溜まり場の倉庫へ向かった。

―――――ガラガラッ

大きな扉を開けて、堂々と立つ。

「誰だ、てめぇ」

真っ黒の長めの髪の奴が、

ものすごい目つきであたしを睨む。

普通の女なら怖がるだろう。

でも、この目には慣れてる。

ひるむこともなく、あたしは、

「ねぇ、白龍にいれてくんない??」

と言い放った。