すれ違うかのように関根が近づいてくる。

目立つタイプじゃないけど、
誰よりもイケメンなはず。

やっぱり、眼鏡の下の顔はキレイ…。

どことなく野生的で、
服のセンスも大人っぽくって…。

だぼつかせて制服を着てる遠藤達よりも、あたしには断然魅力的…。

みゆきは誰にも告げてない想いを再確認しながら
近づく関根をちらちらと横目で盗み見ていた。



目が合った



「坂下。リレー、頑張れよ。」

バっと振り返るみゆき。

「えっ!!!う、うん。」

みゆきの頬が紅潮する。

いきなりみゆきに話しかけた関根に対して利佳子や遠藤達は
「なんだ?こいつ。」といった顔をして見つめた。

それに気づいたみゆきはとっさに言い足した。

「ま、テキトーにやるよ♪」
紅潮した頬を隠すように両手で包みながらみゆきは関根に対してニカっと笑った。

軽く笑うみゆきの顔を見ながら関根もまた自嘲するような小さな笑みを浮かべた。

「・・・・・頑張れよ。」
そう言うと関根はロッカーから持ち出したテキストを持って再び教室に入っていった。