でもきっと、
クラスメートや利佳子でさえ、
あたしはもう初体験を済ませてるって…

ううん、
それどころか、たくさん経験してるって思ってるんだろう。

それは関根も同じこと…。

あたしは鎧をまとわないと
外に出られないけど、

この鎧が
煩わしくなる時も正直ある。

みゆきはホームルームが行われている教室で
頬杖をつきながら前方に座っている
関根を見ながらそんなことを考えていた。

「え~~。
5月に行われる体育祭の援団を決めます~!
やりたい人いますか?」

ホームルームの司会をしている生徒が大きな声でそういって
黒板に『応援団』と書いた。

みゆきの通う高校は5月の末に体育祭がある。

応援団は毎年各クラスから男女それぞれ6人。

8クラスある学年が4つにわけられて
赤、白、青、緑の4色で闘う。

1年生と2年生で構成される応援団は
学年始まりの大きなイベントで
毎年『援団カップル』が誕生していた。

もちろんみゆきはそんなことは興味がなかった。