「坂下が満足できるような、面白い男じゃないけど…俺と付き合って?」

関根はみゆきの手を強く握って言った。
みゆきが関根を見上げると、顔が真っ赤になった関根がいた。

泣き顔だったみゆきが初めて笑った。

「アハハ…。」
笑ったみゆきにつられて関根も照れたように笑う。

「あたしなんかで…いいの?」
みゆきが聞いた。

「坂下が、いいんだよ。」

相変わらず顔を赤くして関根が言った。

「あたしも。関根がいい。」

借り物競争の紙を再び小さく折って口元にあてがってみゆきは微笑みながら関根に言った。

教室では二人の行く先を色々と予想している生徒がいるだろう。

利佳子は遠藤達にことの成り行きを説明しているはず。