「ふざけんな!!」

神田昭子の胸ぐらを掴んでみゆきは声を張り上げた。

教室には、
試験終了後に予定されていたプール掃除のためにジャージに着替えたクラスメートがたくさんいた。

教室はおろか、廊下まで響き渡ったみゆきの怒号にいっせいに注目が集まる。

もちろんそこにはジャージに着替えてクラスの男子と談笑していた関根の姿もあった。

「あたしのことは、何言ってもいい!
どうせ軽く見られてるんだし…。

けど!

関根のことバカにしないでよ!!」

神田昭子の襟を掴んだ手に力が入る。
みゆきの目からは大粒の涙が零れ落ち始めた。

山下仁美はおろおろと黙って見ているしかなかった。

神田昭子にかけた手をそのままにしてみゆきは下を向いた。

後から後から涙が溢れてくる。