「だって、他みんなしょぼいじゃん!」

利佳子は1年の時にそう言い放った。

「イケメンだっていなくない?
遠藤とかくらいじゃない?」

正直、自分達は『怖い』『アブナイ』と
思われていることをみゆきは知っていた。
それは利佳子も、遠藤たちも知っていた。

逆に、利佳子や遠藤はそう思われていることを
『俺達は特別』
と優越感を感じていた。


「みゆき彼氏作んないの?」

不意に利佳子に聞かれた。

一緒になって話す利佳子と遠藤を尻目に
再び桜を眺めていたみゆきは
ハッと我に返った。

「は?何?いきなり!!」

「だってさ、1年のときも作ってなかったじゃん。

3年の卒業しちゃった、イケメンの先輩からも
告られてたのにさ~。

遠藤にイケメン紹介してもらえば?
ね?遠藤?」

「おう!
みゆきなら即ゲットだろ~!」

盛り上がる利佳子と遠藤。


「ちょっと、やめてよ~。
いいの!!いらないの!!」

みゆきは笑ってごまかしながら言い放った。