「そう思って、若干イラついてる時に現れたのがお前だ。

正直、『またか』と思った。

見たこともしゃべったこともねぇ奴からいきなり告られたらそう思うだろ?

だから…聞いたんだ」


『俺の何を知ってて好きだなんて言えんだよ』


そっか…。
あの言葉の裏にはそんな意味があったんだ…。


「なのにお前の答は…“アレ”だろ?」


『人を好きになるのに理由がいりますか?』


あいたた…。
私、相当…痛い子…。


「そら『話になんねぇ』って言うだろ…」


当時を振り返って尚、深いため息をつくナツメくん。


……ご尤もだ。
正当過ぎて返す言葉もない…。


私も今更ながらの汗をかいていた。


「まぁ学年が違うし、あれ以来会うこともないし。

とっくにお前のことなんて忘れてたんだけど…」