店を飛び出してナツメくんを探した。


ラッキーなことに最初の角を曲がったところで見つけることができて。


その後ろ姿を見つけた瞬間、ここが駅前で人の往来が多い道路であることも忘れその名を叫んだ。


「ナツメくーー…んっっ!」


突然呼ばれたナツメくんは振り向いてくれたけど、驚きを隠せない様子でメガネの奥に隠れている瞳もいつもより少し開いているようだった。


でも立ち止まってくれたからゆっくり歩を進め、ナツメくんの前に立つと。


「ちゃんと…話しよう?」


真っ直ぐナツメくんを見てそう言うと、ナツメくんは無言のままそれに従ってくれて。


そのまま人気のない公園に移動してベンチに座った。


でも話をしようと言ったものの、何から話していいかわからず私は閉口するばかりで…。