「あぁ…。ずっと昔にな…」
そう答える店長の声はちょっと切なそう。
「今でも好き…?その人のこと…」
「…ハハッ!
もう昔の話だよ」
「…そっか。
ねぇ、どれだけこの歌きいた?どれだけ聞いたら…立ち直れた?」
私は窓の外を見てたからわかんないけど、運転席からフッ…て笑った気配がした。
「さぁな…。
時間が経てばやがて…ってとこだろ」
「曖昧なんだね…。
あ〜あ…早く大人になりたいなぁ〜」
「…??何で大人?」
「早く大人になって、今日が過去になればいい。
店長みたいに『昔の話だよ』って言えるぐらいになればいい…」
「そんなに…辛いか?」
「………。」
「泣くほど辛いのか…」
必死に隠してたのに泣いてることはバレてたらしい…。