「べ、別に、無理に忘れようなんてしてませんよっ!」
私の胸の内全部をお見通しのようで恥ずかしくてむきになって言い返した。
でも店長は意に介さない様子で、窓を少し開けるとタバコに火をつけた。
「元彼のこと忘れようとして、惨めな自分をなかったことにしたくてそんな派手な格好して、今までと変われた振りしてんじゃねぇのか?
前に進みたくて、何が何でも笑ってたいからくだらないコンパ行ってんだろうがよ」
口を閉じるしかなかった…。
『違いますっ!』って、
『勝手なこと言わないでっ!』……って、言えなかった。
悔しいけど…そんな思いも少しはあったから。
…変わりたかった。
変わりたくて、手っ取り早く外見から変えた。
こんな自分が嫌で、メソメソ泣いてたくもなくて。
だから人の集まる所を求めた。