上から降ってきた私の名前を呼ぶ声に顔を上げると、そこには私とペアとなる先輩が立っていて。
「あ、はい。野村です。
よろしくお願いします」
そう言ってから先輩の顔を見た瞬間…帰りたくなった。
だって…、、、。
前の席の椅子に腰掛け、黒縁メガネをかけたその先輩は……ナツメくんだったから。
あの日以来、初めて顔を合わすナツメくんだった。
ナツメくんも「俺は…」と自己紹介をしかけたけど、固まる私の顔を見てどうやら気づいたみたいだった。
それからもう一度ひいたくじと私を改めて見て。
「アンタ…“野村飛鳥”って言うんだ、名前」
あんな振り方しときながら、私を今初めて知ったと言わんばかりの態度にカチンッ!ときた。