チョコレートの入った紙袋が、妙に寂しそうに見えて居心地が悪くなる。
「…あたし帰る。」
「え…?!」
あたしが帰ると言った瞬間、思いっきり驚いた顔をした会長。
そんなに驚くこと?
いつもは無愛想な会長の、普段とは違う反応に少しどぎまぎしながら冷静を保って聞き返す。
「…何」
「え…あ、いや…別に……」
妙に歯切れの悪い会長。
何か言いたいなら言えばいいのに。
あたしが視線を向けても何も喋らないのに、少し嬉しそうな照れくさそうな顔をして俯く。
「いゃ…だから、さ……」
「だから何?」
「篠田はその……ない、のか…?」
「なにが?」
意味わかんない。
何も言わない会長に痺れを切らして、カバンを持って教室から出ようとした。
その時だった───