その時、幹生を呼ぶ
庵の声が聞こえた。

「ミキオ」

「おう、イオリ
 今日はおめでとう」

親友である、庵と菫の元へ
歩む足を止める雪乃。

「そうだ、カイリ・・・
 
 アイちゃん、貴方に
 会いに行ったのね?」

「えっ?」

「私、電車で彼女と別れた後
 少し言い過ぎたかもしれない
 そう、後悔したの
 
 アイちゃんが貴方に会いに
 行かなかったなら、それは
 きっと、私のせいだって
 悩んだりもしたのよ

 でも、彼女なら、どんな
 カイリでも受け入れられる
 そう思ってた

 本当に、おめでとう」

「ああ、ありがとう」

浬は、雪乃が何を話している
のか、さっぱり分からなかった
が後程、藍から話を聞いて
その意味を知る。