「その点、カナメ
 高月組の結束は
 相変わらず揺るぎ無いな」

要は、向こう側、菫の傍で
微笑む庵を見つめる。

「あの人が、この世に
 存在する限り
 
 高月組には、内部抗争は
 怒らないだろう

 なあ、トウマ?」

「ああ
 
 うちは、先代にベタ惚れ
 な奴らの集団だからな
 
 先代を悲しませるような
 事は誰も望んでいない」

会澤組組長、新までもが頷く。

「ちょっと
 やめてくださいよ
 
 こっちまで、洗脳する
 のは・・・

 俺らは泣く子も
 黙るヤクザなんすよ

 平凡は、つまらない」

「セン、だからお前は
 女に逃げられるんだよ」

「親父、それは言わないで
 下さいよ」