「茜、おまたせー、えっ!」
希は部屋の中に入って、驚いている。
「ちょっとぉー、何この豚小屋!
いくら仕事が忙しいからって、この部屋はないでしょ…」
呆れるのも無理はない…。
食器は山の様にたまっていて、キッチンやテーブルの上には、ゴミやグラスが訳の分からない事になっているのだ。
『いつもこんな感じだよ。仕事始めると』
希はゴミ袋にゴミを集めていた。
「それにしたって、人間が住む部屋じゃないでしょうよ…。
ゴミくらい、ちゃんとゴミ袋に入れなさいよ
幼稚園の子供でも、これくらい出来るよ」
”また始まった…。希の説教が…”
茜は、どれだけ希に説教されて来たことか。
同じ年なのに、希はまるで母親の様だ。
昔から全く変わっていない…。