無惨な姿になった手紙は、会議室の床に散らばっていく。 課長はその作業が終わると、なにも言えない私を見て話し出した。 「―――取引先の受付嬢だぞ?俺のどこを見てこんなん書いてるかわかったもんじゃない。信用なんてできるもんか」 柔らかく微笑みながらそう言い切る高野課長。 その目は、やっぱり笑っていない。 「…か、課長はないんですか?誰かを好きになったこと」 ほとんど無意識に、私はそう尋ねていた。