―――冷たい視線。
辺りの空気が一気に凍り付く。


課長は開きかけていた会議室のドアを再び閉め、私の方に戻ってくる。



「………捨てておいて、って言ったよな?」


そう言い放つ声は落ち着いていて、それが異常に私の恐怖心を煽る。


な、ななななんで!?
なんでこんな怒ってるの?


私がなにも言えずにいると、課長は私の手から手紙を奪い取り中身を確認することなく破きだした。



「か、課長!」


―――ビリッ、ビリ!


私の声も無視して、課長は無表情で破き続けた。