あと少し。 ほんの数メートル進めば、 トンネルを、抜ける。 「要!」 片手に携帯を持っている姉さんが、 トンネルの外に立っていた。 姉さんは僕にかけより、抱きしめた。 「お帰り! 今まで、何処に行ってたの?」 「……異次元、なのかな?」 異次元や異世界の、 違いがよく、わからない。 あ、平行世界とか言ってたっけ? 「大きくなったねぇ」 姉さんは泣きながら、僕の顔を見る。 ……いなくなったのは、小学生の頃か。