そしてまた、トンネルの向こうから
何かがやってくるのが見える。



あれは――シロだ。



どうしてこの間は、
あんな姿に見えていたんだろう。

今は、ちゃんと犬の姿だ。



「きっとね、もうすぐ帰るから」

『――!うん、待ってるからね!
 一緒に、家に帰ろうね』


きっとシロは、
僕達を迎えに来てくれたんだろう。